Ponyo-1

最近は夫婦50歳割引と言うのがあって、息子も学割で、一人1000円で映画が観れる。
家族3人で何を観ようかと言うことになり、宮崎駿の「崖の上のポニョ」になった。
結果、家族には設定が解りにくく、評価はいまいちだった。
僕は巨大な女神が少し怖かったが、全体的にはとても好感が持てた。

比べてはなんだが、宮崎さんの息子の「ゲド戦記」も解りにくい設定だった。
「ポニョ」も解りにくいのだが、思うのは、結局宮崎駿はどこまで行っても徹底的なアニメーション作家なのだ。
つまりアニメーションを見せるためにストーリーは極端に言うとどうでも良い。
絵の中のキャラが生き生きと動いてくれることが先ず一番の大事なことのようだ。
そのこだわった動きの見せ方はおそらく何度観ても飽きない。
「トトロ」や「千と千尋」が子供も大人も何度も繰り返して見られるのはそこなんだと思う。
ストーリーは一回観れば解るし、多少解らないくらいが想像力が増す。

それは例えば野球が試合に勝つことより、キャッチボールやバットにボールを当てることが楽しいのであり、ミュージシャンは新しい売れる曲を考える事より、人とセッションしたり、声を出したり楽器をカッコよく弾くことが原点であるのと同じだ。
まるで宮崎駿さんは息子に対して、

「いいか、アニメーションとはこういうことだよ。」
と諭しているような気すらする。

絵にも小説にも音楽にも、優れたものには忘れられないような輝きが脳裏に焼き付く。
それは形式がどうこうとか、辻褄がどうとかほとんど関係なくなる。
「マムシの・・」所でも話題にしたが、宮沢賢治の童話など、「なぜそうなの?」と言われても答えようの無いものが多い。
でもその魅力だけは忘れることが出来ない。