「爆笑問題のニッポンの教養」を毎回ビデオに収めている。
ここに出てくる日本人を見ているだけでその視点の自由さ、面白さ、発想力の豊かさに驚かされる。
前にも書いたのだが、こんだけ頭のいい人間が住んでいる日本なのに、ちっとも生活が良くならない事が残念だ。
それは経済も環境問題も平和問題も含めた事で、常々この頭脳がある所で力を合わせ結びつかなければ、もっと大きな壁を乗り越えられないと思っている。

そのことはさておいて、今回の農学者・岩永勝氏の視点は、僕の最も危惧している日本の農業に、実に解りやすい説得力のある示唆をしている。
iwanaga

例えば食料自給率40%の日本は、後の60%は輸入に頼る。
しかし輸入するお金があるからと言って海外の食料を高く買い付ければ、結局、途上国には食料は行き渡らない。日本の食料自給率を上げる事が世界の食糧事情を良くする事になる。
また日本は年間1900万トンの食品廃棄物がある。これは、世界が開発途上国に援助する量の3倍だと言う。
食べることは生きることだという、そのことも日本人は忘れてしまった。
戦争の原因が空腹ならば、農学こそが平和をもたらす。
日本の自給率を高めることが、世界の食料安定につながり、ひいては世界平和に結びつく・・と岩永氏は言う。
こんな単純明快な理屈はない。

結局、爆笑の太田氏の方は輸入を減らす事の難しさを番組後談としてHPに載せているが、今回はいつものあの優れた視点の切り返しはなく、極めて常識的な回答としか思えない。
でも本当の意味で世界をもめ事なく変えていくには、常識的な事から遥かに越えた方法を考えださなくては何も興らない。
日本の輸入を減らす事で世界が平和になるなら、それを真摯に内外に解らせていけば良いのではないか?
その方法は番組に登場した知識人たちが共同で対策を練れるよう、日本で最も教養人との接点のある太田氏と田中氏がサポートしていけば良いのではないか?