僕は小学校の時、学芸会で台詞を忘れて、劇が完全に止まってしまったことが2度もある。
なんぼ練習しても台詞が覚えられない。
人前でしゃべると、自分で何を言っているのか解らなくなる。
しゃべれないという事がトラウマになり、人前に立つともうそれだけでにらめっこの時間と化す。
それでも演劇は好きなのだ。 小さい頃から日劇にクレイジーキャッツを観に行って、コントの面白さは生で味わっていた。
中学校になったら、自分でしゃべらなくて良い演劇を作った。お笑いであるが。
人には台詞をしゃべらせて、自分は言葉ではない、「あー、エー、まーまー」とか訳のわからない言葉を発して、コミュニケーションを取ろうとしている。
ジェスチャーで隣の奴に意味を通訳させたり、耳打ちしたり、言葉に障害を持った役のようなものであり、突然浪曲になったり、笑いだけになったり、宇宙人の言葉になったり、めちゃくちゃであった。 コミックバンドも作った。(僕の生まれて最初のバンドはコミックバンドなのだ。)
当時出て来たドリフターズのパクリのようなこともやった。「バラが咲いたを演ります」といって、僕は一人だけヴァイオリンで「天然の美」を演奏する。
楽器を取り上げてもひたすら何かを持ち出しては楽器にして、「天然の美」をやり続ける。
それから何十年か経って、僕はマルクス兄弟の映画を観た。
とにかくイカれていて、素晴らしかった。
特に注目したのがハーポだった。
彼は全くしゃべらない。
しゃべらない分、自由奔放な動きだけで笑いをもたらす。
このハーポの凄いのはハープのテクニックだ。
ピアノをぶっ壊してその中身を取り出して、ハープにしてしまう。
機織り機の意図を触っているうちにグランドハープになってしまう。
当時の映画は映像と音が別録りのため、指と音がずれるのだが、明らかにちゃんと弾いている。
ただ弾くだけでは無い。僕が聴いた限りで最も魅力的で聴かせられるハープなのである。
まさにHarpoの名前はHarpから来ているのだろう。ふざけた顔をして、一言もしゃべらないハーポだが、ハープを弾く時だけ真顔になる。

こんなハーポと自分をついついダブらせてしまう。
自分もロバの音楽座で半分喜劇人のような部分を持ちながら、琴系の楽器が異常に好きである。
息子に「琴」の文字を付けたのは偶然で、付けたのはハーポの存在を知る前だった。
「琴」の名を持つ我が息子はハーポと似ても似つかぬ真面目な男だが、ハーポのハープを弾くときの目つきと同じ目をするように見える時がある。
今の世の中は便利で、彼らの全盛期の映像が瞬時にして観られる。
先ほど言っていたピアノをぶっ壊してその中身を取り出して、ハープにしてしまうシーンもここにある。
「A Day at the Races」という映画の一シーンだ。
クイーンのアルバムのタイトルと同じだが、影響があるらしい。
チコのピアノも変で素晴らしい。このシーンを観る度に山下洋輔さんを思い出すのは僕だけだろうか?
なんぼ練習しても台詞が覚えられない。
人前でしゃべると、自分で何を言っているのか解らなくなる。
しゃべれないという事がトラウマになり、人前に立つともうそれだけでにらめっこの時間と化す。
それでも演劇は好きなのだ。 小さい頃から日劇にクレイジーキャッツを観に行って、コントの面白さは生で味わっていた。
中学校になったら、自分でしゃべらなくて良い演劇を作った。お笑いであるが。
人には台詞をしゃべらせて、自分は言葉ではない、「あー、エー、まーまー」とか訳のわからない言葉を発して、コミュニケーションを取ろうとしている。
ジェスチャーで隣の奴に意味を通訳させたり、耳打ちしたり、言葉に障害を持った役のようなものであり、突然浪曲になったり、笑いだけになったり、宇宙人の言葉になったり、めちゃくちゃであった。 コミックバンドも作った。(僕の生まれて最初のバンドはコミックバンドなのだ。)
当時出て来たドリフターズのパクリのようなこともやった。「バラが咲いたを演ります」といって、僕は一人だけヴァイオリンで「天然の美」を演奏する。
楽器を取り上げてもひたすら何かを持ち出しては楽器にして、「天然の美」をやり続ける。
それから何十年か経って、僕はマルクス兄弟の映画を観た。
とにかくイカれていて、素晴らしかった。
特に注目したのがハーポだった。
彼は全くしゃべらない。
しゃべらない分、自由奔放な動きだけで笑いをもたらす。
このハーポの凄いのはハープのテクニックだ。
ピアノをぶっ壊してその中身を取り出して、ハープにしてしまう。
機織り機の意図を触っているうちにグランドハープになってしまう。
当時の映画は映像と音が別録りのため、指と音がずれるのだが、明らかにちゃんと弾いている。
ただ弾くだけでは無い。僕が聴いた限りで最も魅力的で聴かせられるハープなのである。
まさにHarpoの名前はHarpから来ているのだろう。ふざけた顔をして、一言もしゃべらないハーポだが、ハープを弾く時だけ真顔になる。


こんなハーポと自分をついついダブらせてしまう。
自分もロバの音楽座で半分喜劇人のような部分を持ちながら、琴系の楽器が異常に好きである。
息子に「琴」の文字を付けたのは偶然で、付けたのはハーポの存在を知る前だった。
「琴」の名を持つ我が息子はハーポと似ても似つかぬ真面目な男だが、ハーポのハープを弾くときの目つきと同じ目をするように見える時がある。
今の世の中は便利で、彼らの全盛期の映像が瞬時にして観られる。
先ほど言っていたピアノをぶっ壊してその中身を取り出して、ハープにしてしまうシーンもここにある。
「A Day at the Races」という映画の一シーンだ。
クイーンのアルバムのタイトルと同じだが、影響があるらしい。
チコのピアノも変で素晴らしい。このシーンを観る度に山下洋輔さんを思い出すのは僕だけだろうか?