Tessey Ueno's blog

古楽系弦楽器を演奏する上野哲生のブログ。 近況や音楽の話だけでなく、政治や趣味の話題まで、極めて個人的なブログ。

2011/04

魔法使いにあいたい
福島原発の行く末、東北沿岸の復活、日本の将来、地球の未来 それを考えると、久しぶりに魔法使いに逢いたくなった。
原発はここまで、今の技術で押さえ込めないものだと思わなかった。
少なくとも廃棄物の燃えかすは、もう一度20世紀分を繰り返すくらいくすぶり続ける。
その間国名が変わろうが、侵略が起ころうが、人類が滅びようが、 常にサポートし続け得る保証があるのか?

今、廃棄物汚染水は六ヶ所村も一杯になり、どこへ持って良いか解らない状態だ。
昔からゴミの問題は、毒性ならその場をやり過ごせば済む問題だが、それが消えずに残り続ける事が罪悪だ。 核廃棄物は人類が永遠である限り、永遠に増え続ける水銀電池だと思えばいい。
浸食されれば生命は死滅する。今それを毎日何トンと垂れ流している。
こんなになっても、原発はなくてはならないと思っている人が半分は居る。
人間はこんだけ贅沢をして来たわけだから、今より多少電気を減らした生活をしたって良いじゃないか。
ルームランナーで発電すれば、ダイエットをかねてパソコンくらいは動かせるだろう。
太陽光、風力、水車など組み合わせれば、自分の家で50%は電気を作れるだろう。
ものが豊かな日本より、中国の山岳少数民族のようにストレスのない生活をした方が「幸せ度」が高いらしい。 限られた範囲で工夫する方が、ずっと充実した豊かな生活が出来そうだ。
地球の生物は、地殻変動、氷河期、隕石の衝突、 そんな絶滅の危機に直面する度に、より優れたものに進化していった。

今回の事はそんなレベルからすれば大したことはないのかも知れない。
今にもっと信じられないような事態が押し寄せるかも知れない。
人類の文明を持った数千年の歴史なんて、地球の人生から見れば数時間の出来事。 その間に地球にとっては大災害に思えるほど、ことごとく食い散らかしてきた。
特に原発の汚れは一生消える事はない。

こんな状況で 「魔法使いさん、お願いを聞いてください。」というのも、人間として話すには虫が良すぎる。
でも、東北で本当に真面目に農業漁業を営み生きてきた人たちにとっては、そこまでこつこつと作り上げた作品を暴徒に壊された気分だ。
僕らはいい。
せめてそうして生きた人たちに魔法使いの力で、 時間を戻してあげたい。今はそうしか言えない。

今日、飯舘村に避難指示が出た。
昨年この役場の側で演奏会をしたばかりだ。
なだらかな美しい土地だった。
当初は40kmの範囲は対象になっていない場所で安心していたのに、死者の最も多い三陸沖よりもニュースで出る回数が多くなり、知っている人の顔も写る。
見えている限り何も変化のない、美しさを残したままの被害のため、住民も納得いかない事でしょう。
最も放射性物質が飛んだのが水素爆発を起こした3月12日の話だ。
それから1ヶ月も経ってからの避難指示だ。
なぜ今頃…、さすがに国も東電もこのまま秘密裏にしていてはどうにもならないと思ったのだろう。
それほど事態が深刻なのである。

原発事故やその危険性は広瀬隆氏や武田邦彦氏をはじめ、何人かの学者がこうなる事を予測したり提言したりしている。
元々異端児たちだが、彼らの言っている事と、枝野氏やNHKの解説員や保安院の人たちの言っている事と、どちらを信じるかは自由だが、この期に及ぶと細かな誤解釈はあるものの、先の学者たちが懸念する方向に向かっているとしか僕は思えない。広瀬隆の投稿記事 武田邦彦のブログ

こういった事実をひた隠しにして、国民を欺いていく姿は、戦時中の日本政府を思い起こす。
戦況を知れば対処の仕様も、早期の停戦を迎える事も出来たはずである。
これはもちろん東電やそれを認めた国のやりかたに当然問題があるわけだが、「オール電化」などと言いながら国を挙げての原子力電力絶対主義を、我々は必死になって食い止めなければいけなかったはずだ。
ちょっと勉強すればこんな事は早くから知る事が出来たし、発言力はなくとも言論の自由はあるわけだから「これはおかしいよ」と言う声をもっと広めた事も出来たかも知れない。
それだけは本当に悔やまれる。
何年も経ってから恐らく、世界の海と空気を汚した日本人は、様々な国に大して謝罪しなければならない。 戦時中もそうだが、(東電は確実に私欲はあったと思うが)国民の多くは豊かな生活を求めているだけで、まあ海外から比べると礼儀正しいし、純朴で真面目に生活しているし、あまり出しゃばった事をしない。しかしそれは諸刃の刃で、デモもあまり起こさないで政府の言うがままになっていく。
結果的に自分らの意図ではないのに他に迷惑をかけてしまう。

我々は全て東電と政府のした事だとか、靖国にいる連中の所為だとか思わないで、自分らの無知と無動を恥じ、反省しなければならない。
かといって自虐念に囚われすぎ外交の切り札に利用され、誇りまで失ってしまうところまで行ってはならない。
今ある常識だけで考えず、ひょっとしたら片栗粉を投入する事で原子炉の放射熱が収まる事があるのかも知れない。
海外の知恵も借りて、とにかく迅速にこのことの解決に全力を挙げなくてはならない。

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