Tessey Ueno's blog

古楽系弦楽器を演奏する上野哲生のブログ。 近況や音楽の話だけでなく、政治や趣味の話題まで、極めて個人的なブログ。

2013/03

イラク戦争開戦から10年経って、当時官房長官だった福田康夫氏のインタビューが朝日新聞に載っていた。
とにかく何が何でも日米関係を崩さないことが全てだった。大量殺戮兵器があるかどうかは日本の持つ情報ではわからない。どうせ支持をするしかないなら早いほうが良い・・・という政治判断で開戦支持表明をしたようだ。フランスやドイツが反対する中、国連安保理決議を全会一致で出すように奔走した。
これって、関ヶ原開戦前の徳川家康に対する、山内一豊のとった行動と同じだ。真っ先に「何を置いてもお味方します」と言って他の武将も追従する空気を作り、それによって土佐一国の主にまで上り詰めることとなる。

僕がアメリカ批判をするのはあくまで国政としてのアメリカだが、アメリカと徳川の大きな違いは、武器商人と軍備縮小を目指した者の違いだ。日本はまがいなりにも250年近く安定した時代が訪れたが、アメリカは何処かで紛争が起こっていないとやっていけない国だ。
紛争が起こって得をするのは武器を作っている国だ。緊張が高まるだけで武器は売れる。戦争の出来ない日本の場合は軍事力とセットでアメリカに護られている図式となる。TPPのような明らかに損をすることが解っていてその中に参加する事を表明するのも、アメリカ無しではやっていけないからだ(と、安倍内閣は思っている)
自力では手を出せない中、北朝のミサイル、尖閣や竹島、様々な脅威の中で日本は悪魔の言うことに従わざるを得ない。これらがヒートするほど得をするのはアメリカだ。裏で手を回しているのかとさえ思う。この事がとてもイライラさせる原因となる。
いっそのことアメリカ無しで自立してしまえばと思うこともある。しかし外交駆け引きの下手な日本では強大な軍事力を持たなくてはならなくなる。一番お金をかけない軍事力となれば核保有しか無くなってくる。とんでもない事態であるが、結局価値観の持って行き方次第で、その意見が主流を占めることすら可能性がある。

年賀冒頭に「色々つっこみどころ満載の世の中だけど・・・」と書いたのは、「そんなあほな」とツッこむところはいくらでも言えるのに、「こうすればいいじゃん」という解決策、代案、そういったものが何一つ浮かんでこない。将棋で言えば詰まれたような感覚だ。いまこのもやもや感に押しつぶされそうで、楽しいはずの毎日が苦しくてたまらない。
こういった事を阿呆な僕より頭の良い日本人は沢山いるはずだから、切磋琢磨してこの不条理な現実を打開して欲しい。

3月11日が近づいたとき、震災関係の様々な放送が色々あったが、原発爆発に伴い自衛隊、レスキュー隊、本当に日本を護るために命をはったと思う。
ただ、この時の敵はアメリカやソ連・中国と敵対したわけではない。人間の過大な欲望の塊と言って良い、他でもない日本人が作り出した原発の仕業ではないか。


僕は幕末の会津の戦いと、太平洋戦争の日本の無意味と言われた戦いは、是非はともかく僕には同じに見える。それは有機的な敵に対しての大いなる意地であるからだ。これらは後の人間から無意味と言われるだろうが、当面した人たちにとっては自己の存亡を賭けた覚悟があったと思う。単なる軍部の上層命令だけでそんな覚悟は生まれなかったというのが、僕の観方だ。

敵は人為的産物でありながら無機質だ。自衛隊、レスキュー隊の活躍は素晴らしいが、なんで日本人の欲望から生まれ、セキュリティの外れたもののために意地を見せねばならないのか?欲望のリスクがここに集まっているのだが、護るものが産みだした者から護るものを護らなければならない。欲望が絶望に替わるのを防ぐため。

Kokorone1sJASRACの会員・信託者が東日本大震災で被災された方々の心の支援を願う「こころ音(ね)うたアクト」に「宙の囁き」の「あいたい」を昨年、参加させました。この著作料は、被災地の復興支援に充てられます。
この活動の参加作品集CD Vol.2が作られ、これに載りました。な、なんと2枚組のトップに出ているではありませんか(^_^)v
やはり曲が良いからかなあと、気をよくしていたら和婆が「アイウエオ順じゃないの?」と言われ、確かにその通り!まだ呆けちゃいない。
でも最初であることはラッキー!全部聞くのは大変だし。HP上でも公開しています。
http://www.jasrac.or.jp/kokorone/act_list_01.html
CD「宙の囁き」の売上げの一部も被災地に行くのでよろしくお願いします。

Kokorone2s

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