Tessey Ueno's blog

古楽系弦楽器を演奏する上野哲生のブログ。 近況や音楽の話だけでなく、政治や趣味の話題まで、極めて個人的なブログ。

2019/05

この最初のプサルテリー即興(2013年版)の動画視聴がちょうど6万アクセスを越えていた。

個人でのこういう地味な古楽器演奏の類にしては驚く数字だ・・・と思う。
楽器も珍しいのか、海外のアクセスが多いようで、メッセージも良くもらう。とても嬉しいことだ。
 

解せないのは、この動画のアクセスだけが特出していて、他の動画の再生数は大した事はない。
4年後の2017年にもう少し映像も録音もクゥオリティを上げて、まとまりの良いプサルテリーの即興演奏をアップしたが、こちらは500程度しか延びていない。百分の一以下だ。

まだ他にいくらでも面白い動画をアップしていると思うのだが、なぜか最初の映像だけに集中している。

理由があれば知りたいところだけど、日本のお薦め観光スポットと、海外の人が実際に面白がって来るスポットが大きく違うのと、似たような関係なのか?
解る人がいたら教えて欲しい。

夜中の3時に風呂に入った。
最近は遅めの夕食をとると、歳の所為か10時頃には眠くなってしまい、2時間ほど仮眠をとるのが日常だ。
そこからむくむくと目が冴えて何か創意が沸いてくることもあれば、だらだらと夜中のテレビや漫画を観ながら何もしないで終ってしまうこともある。

その真夜中の3時の風呂の窓越しに、恐らく燕がけたたましく同じフレーズを繰返している。
ここのところ暑くて風呂の窓は開けている。それにしても良く聞えてくる。
入浴中、ずーっと同じフレーズを繰返している。たまに違うフレーズを挟んではまた繰返す。
何かを訴えているのか?話したいことがあるのか?愛の告白なのか?とにかくひたすら繰返す。

そのフレーズは音楽的に捕えるとこんな感じだ。
 

ツバメの歌

昔、猫に襲われた燕が家の中に飛込んできて、怪我をしていてそのまま家の中で飼っていたことがある。
誰に聞いても野生の燕を飼えるわけが無いと言うが、事実、3週間くらいの間ずっと家に居た。
ある時窓を開けるとそのまま空に飛んで帰ってこなかった。
そんなことがあったので、先祖がお世話になったなどとお礼に来たのかと思って、外に出てみた。

意外にもうちの巣を作っている所ではなく、道路を隔てた前の家の屋根の上辺りで鳴いていた。
どうもうちとは関係ないらしい。ただ、明らかに別の燕か誰かに何かを訴えている。
失恋したのか、子どもを亡くしたのか、世の無常を嘆くのか解らないが、とにかく何かが重く有るのは確かだ。


「ある日、燕が教えてくれた曲」が出来そうなほど、頭の中から永遠に離れない。

下は家に居た燕の写真。

ツバメピアノ
 

客観的に自分の歌を聴くには当り前だが、録音するのが1番だと思う。

僕は劇の歌などを幾つも作っているが、歌の練習するなら録音して聞いてみる事を薦めている。

ところがラジカセのダブルカセット等が無くなって、簡単にダビングができなくなったこの時代、その録音しての歌の練習は皆どうしているのだろう。

カラオケ店で練習も出来るのかな?ただあのエコーは練習になるのかな?

スピーカーから伴奏を流して iPhoneのボイスレコーダー等に録ることは出来るが、伴奏が遠かったり、なかなかバランスが良くない。


そこに登場する、痒いところまで手が届くほどアプリを抱えているのがスマホだ。

今回、歌の練習用ということもあったが、たまたま遠くにいる方に仮歌を録音してもらうのになんのアプリが良いか色々探してみた。

結局(僕の場合はiPhoneだったので)昔からMacでも有名なGarageBandというアプリを選んだ。(Android用には同様のものも存在するが、ここでは知らないので触れない。)

GarageBandといえば録音も出来るが、どちらかというと触感的に音楽を簡単に作れてしまう、いわばインスタント音楽製造器と言っても過言ではない。

Macにはさまざまな優れたこの手を越えるシーケンスソフトがあるのでGarageBandは今までほとんど使ったことはなかったが、これがiPhone iPadの製品になると、こんな小さな世界でこんな凄い事になっているのかという驚きしかない。


音楽を作ることが本来このアプリの目的だが、今回は仮歌を歌ってもらい、そのボーカルトラックを送ってもらうことだ。

同時に、この方法で歌の録音しながらの練習になる。

何かカラオケ音源があれば、歌唱力を審査してもらうデモファイルも作れる。

今回は音楽を作る部分には触れない。これは創意さえあれば自分で触って作って行くうちに自然に覚えてしまうだろう。


これからはほぼ初心者向けに話します。

まずGarageBandAppleストアからダウンロードします。
https://www.apple.com/jp/ios/garageband/

これだけの機能が付いて無料で一切の課金はありません。iTunesと共にアップル純正というのがiPhoneの強みなんでしょう。

もう一つ準備しておいた方が良いのはDropboxというアプリです。使っている人も多いが、どこでもドアのような共有者であれば家の箱と他所の箱が中身が同じになるという、便利なものです。これも確か2GBまで無料で使えます。

なぜDropboxかと言うと、これでなくても良いですが、iPhoneはどこにファイルが収納されるか理解しづらいので、ここに入れると決めておくと、GarageBandからも探すことが容易だからです。大きなファイルも簡単に送れるし。

Dropboxの登録にはIDやパスワードが必要。
https://itunes.apple.com/jp/app/dropbox/id327630330?mt=8
 

あと、ヘッドフォン(イヤホン)は必要ですね。


まずiCloud を設定します。以下の図に従って下さい。

icloud

今回の伴奏ファイルをDropboxに入れる作業をします。

これは離れている人に渡す時(側にいてもこれらの方法が楽ですが)、メール、インターネット上にアップ、ギガファイル便、Dropboxに直接、など使って伴奏ファイルを送ります。

どれを経由してもとにかくDropboxに入れてください。その中のフォルダは例えば「Public」で良いと思います。
今回の伴奏はm7-2.mp3というファイルです。

保存
 

次にGarageBandを立ち上げます。

以下は図にしたがってください。

Garage1

Garage2 


3.で左右のメーターがボリュームに合わせて緑に光らない現象が起きたら、iPhoneを再起動してみてください。アプリが立上がりすぎている可能性もあります。

さていよいよボーカル録音です。 図に従って下さい。

Garage2.5
今回はあくまでも録音のみです。伴奏の音源がある想定なので、メトロノームもカウントも使いません。  伴奏に合わせて何度もやり直しがききます。幾つかとラックを増やして、良いテイクを選ぶのも良いでしょう。自分の声での理想を作り上げ、それにさらにどうやったら伝わるか考えて録音して下さい。

「あ」の口が縦に開いているか、「子音」がしっかり前に出ているか、ビートのある曲なら一拍目がちゃんと強拍になるように聞えているか、その辺りをしっかり聴いてください。一般のプロの歌手と何が違うかなども。 

とりあえず納得のいくものが出来たら、ファイルはこのままでも良いのですが、Mixを誰かに聴いてもらいましょう。
左上の▼を押してファイルを閉じ、後は図に従って下さい。
Garage3

これでメールであればファイルは送られました。
6MBを越えるものは送れない場合もあります。スマホの相手で受信容量に制限をかけている人も居ます。その時はDropbox/Publicに保存し、DropBOXの右上の「・・・」から「リンクをコピー」でアドレスをコピーし、メール等にペーストして下さい。

ここまでお金をかけず、iPhoneのマイクとイヤホンのみで録音しましたが、意外と良い音で録れていると思います。ボリュームなどに気をつければデモにはそこそこ悪くないと思います。

欲が出て来たらマイクを少し良いのに替えましょう。iPhone に適したものですが。イヤホンと同時に使うので機種に合うかは調べて下さい。
実はiPhoneでGarageBandを使うのは初めてだったので、ここまで調べるのに一日しかかけていません。こちらも試しながらやっています。指摘も初心者向けにかなり細かく伝えたつもりです。
もっと良い方法、間違えなどあったら指摘して下さい。
ご静聴ありがとうございました。
 

 
 

谷川俊太郎さん&賢作さんとのロバハウスライブが無事終り、6月2日のロバの音楽座と山下洋輔さんとの「もけらもけら」まで1ヶ月を切りました。
立川の名誉市民の山下洋輔さんと、立川の名所となっているロバハウスのロバの音楽座と久々の地元のコンサートです

 19mokera

実は山下さんが立川に住むに於いて、ロバが重要なキーパーソンとなっています。
80年代の終りに山下さんは葉山に住んでいましたが、当時山下さんの編曲を手伝っていた僕の所に電話がかかり、
「息子が小平の高校に通うので、そっちの方でピアノをガンガン鳴らせる家はないかな?」
たまたま僕の隣に居合せたがりゅうさんが、
「それならうちの前の米軍ハウスが空いている。隣がドラムを叩いたって気にならないし」
それですぐ引越してこられました。
未だロバハウスが出来る前で、野々歩や更紗がまだ小さかった松本家と山下家はご近所づきあいが始りました。
つまり携帯の無い時代、僕がこの電話を受けなければ山下さんは立川名誉市民の可能性はなく、有名な猫帰り神社の話しも生れなかったのです。←自慢!
 

程なく近くにロバハウスが出来て、最初のライブのシリーズに山下さんの書いた絵本を元にした「もけらもけら」の初演をしました。
当初、ピアノと古楽器でどうなるのだろうと思っていましたが、 演ってみると幼児から大人までジーッとくいいるように観て、笑い、驚き、愉しみました。
よく考えてみたらロバも山下さんも音あそびの達人たちで、ジャズでもない古楽でもない全く新しい音楽が生れたわけです。
 

それから90年代に「もけらもけら」は全国のホールなど二十数カ所演奏し、大好評を得ました。
少しブランクがありましたが、一昨年代々木でやったときは、年齢と共に昔以上にパワフルに進化したもけらの健在ぶりを見せました。

とにかくこの面白さは幾ら書いても伝わるものではありません。ぜひぜひお聴き逃しのないよう。


チケットはこちらから→ロバハウスHP 

元号について考えてみた。
確かに歳を計算したり、いつ何が起ったか考えるときは西暦しか使っていない。
合理的に、グローバルに考えるなら西暦を扱った方が良いだろう。
でも、元号は文化であり、西暦は文明の利器でしかない。
それは名前を呼ばれるのと、マイナンバーで呼ばれるのとの違いのようなものだと思う。
名前は同じ名前もありミスも起り非合理的だが、番号で整理すれば一瞬にしてそいつの個性も調べられる。
便利ではあるが、それで自分の印象が付くとは思えない。

僕の生れた昭和28年は「花の二八」などと呼ばれ、意味もわからず個性を放っている。
昭和一桁だ、平成のゆとりだ、などと言うのも味わいがあるが、1930年初頭とか1990年辺りと言われても単なる記録としか認識されない。

利便性だけで言えば、全ての国が英語を使い、センチメートルやキログラムを使い、同じ通貨を使い、同じ服を着て同じ教科書で学ぶ、それが一番だ。
僕に言わせれば、本当に価値のあるのは利便性ではなく、どこにもないもの、その土地にしかないもの、しいてはそいつにしか出来ないことがあることだ。
人間などは一人一人違うから面倒くさいことこの上ない生きものだと思う。だからと言ってタイプ別に区別されたり、勝手にこんな奴だとは思われたくない。それはあるがままでしかない。
国というものが多少ゆがんだ形で成立したにせよ、日本で生れて日本語を喋り、頂きますとご飯を食べ、ありがとうと礼を言う。

生れたばかりの令和が個性を打出すのはこれからだと思う。
だから粛々と誕生を祝い、自然に時代を見守っていきたいと思う。
良きにせよ悪きにせよ、我々の個性の塊が次の時代を作って行くわけだから。
ただボーッとして時代に流されていると・・・・に怒られるのである。

すでにアップした2019年の年賀動画ですが、どうせならと令和元年版としてアップし直しました。
まあ、個性と言えば僕の場合はこれが最大限の個性です。
扉の画像以外内容に変りはありません。

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