Tessey Ueno's blog

古楽系弦楽器を演奏する上野哲生のブログ。 近況や音楽の話だけでなく、政治や趣味の話題まで、極めて個人的なブログ。

2020/04

4年ほど前に「サバイバルファミリー」(矢口史靖監督)という映画があり、突然全ての電化製品、ガス、水道が突然使えなくなり、家族が生残りをかけた旅に出かけ、最後は当り前の時間、ものの大切さ、ありがたさ、色んな事を感じながら終るというお話しです。僕はこの映画で1曲だけですがサントゥールとリュートで劇中の音楽を演奏しました。(アマゾンプライムでも視聴可。)
この映画、今の世の中の状況と被る部分がとても多いです。今だって政府もたいした事はしてくれなさそうだし、感染を手助けするような動きの人も沢山いるわけで、結局は国や人に頼るのではなく自分でなんとかしなきゃなりません。

今すぐには何も出来ないかも知れないけれど、ウィルスから身を守りながらどうやって生延びていくか、どうやって食料や燃料を調達していくか、これを問われているような気がします。
多分このまま行くと、今までの文明の価値観や社会の在り方がまったく違った世界が訪れるかも知れません。そうなったら政府や県などに頼ることは到底期待できないでしょう。それぞれが個々のアイディアでどう生きていくか考え、一人か、家族か、気の合う仲間同士か、大きな集団を作るか、僕は全く解りませんが、なにか人間としてどう生きていくか、何があれば良いのか、何が幸せなのかをそれぞれで考えて生延びていくような時代が来るのかも知れません。

新型コロナウィルスの影響によって悪い事ばかりではありません。
飛行機が9割近く飛ばなくなり、生産を止めている工場も沢山ある中、空気は綺麗になりCO2濃度の問題も解決しているのです。この頂戴な座禅を組むような時の流れに、人生を見つめ直したり、人間の生き方について考えるようになる人も多いでしょう。

今一度、人間にとってこれからどう生きていくか、何が必要なことか、社会とどう関わっていくのか、大きな転機を迎えるのでしょう。
動物たちはどうでしょう?確かに鳥インフルエンザなど同じような悩みを抱えているのかも知れません。歳を取っても延命をしなければとか考えないでしょう。 ただ人間は経済、社会、家族、家、財産、等と失って困るものが沢山ありすぎて深刻に悩み、それを苦に自殺する人が交通事故より遥かに多いです。
動物たちはそこまで失うものが多くないので、悩むことは多くはないでしょうし、少なくとも自殺はしません(レミングは自殺ではありません)。

最低限何があれば、どうすれば幸せに生きて行けるのか、今までの尺度では測れない価値観が必要になるのでしょう。
そんなことを考えるときなのですよと、これだけ奢り高まった人間社会に対するお告げなのかも知れません。
これも僕が音楽を担当している、今年11月に益子で栃木県の茂木町主催のミュージカル公演『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』(いわむら かずお:原作・江藤寛 :脚色/演出)の公演が予定されています。

このお話も簡単に言えば、擬人化した動物たちから見た人間の傲慢さ、価値の違い、不平不満を夜の電車の中で繰広げています。動物たちはそんな中で自分たちで知恵を出して生き抜いているわけですが。

文学や映画、テレビドラマやアニメに至るまで、人間社会の固執した価値観を見直したいという作品は沢山あります。それは観て体験しただけで終りにしないで、この機会に自分の生活価値観を見つめ直す材料にしていければと思うのですが。

時間が止っている。
PCR検査が少ないと言っていたのは一ヶ月以上前のことで、ようやく「地域の医師会などが運営して検査を実施する仕組みを導入する」と15日に厚労省が都道府県に通達した。その間にどれだけ感染が増えたことか・・・。
足りてないベッド数を増やす、ドライブスルー方式の検査も検討する、検査人員を増やす、民間を導入する、その他色んな事を一月前までに行っていたことは何処まで出来ているのだろうか?
ひょっとして医療崩壊だけでなく、官僚崩壊が起きているのでは?

やっと国民一人あたりにお金を渡すようになったのは良い。ただ何のために渡すのかが伝わってこない。
僕はお金を渡すのは生活に困窮しているからもあるだろうが、
「1ヶ月の間何もしないで閉じこもっていて欲しい。徹底的に人と接触しなければウィルスは消えていくから、そのために一人10万を渡す。」
と説明すればまだ解りやすかったのかもしれない。でもそのためにはもっと早い行動が必要だった。いまさらこれだけ増えてしまうと感染ルートも追えない。
「8割、せめて7割」と阿倍さんも言っていたが、8割叔父さんの北大・西浦教授は「僕は7割なんて言っていない」と怒っている。6割などと言った大臣も居た。8割がいかに重要な事かが政治家も官僚も解っていない。だからこのままだと40万人死ぬと言う結論が出てくる。

政治崩壊、官僚崩壊、そんな中でとてもじゃないけど期待は出来ない。出来ることは民間でもやっていくしか無い。一人でも生きていく気構えが無いとやっていけない。
でも医療従事者は本当に大変だ。この方々を差別する感覚は人間とは思えない。
(引退した医療従事者に手を借りると行っていたが、それもちゃんと成されているのかな?)

僕も色々気持だけは動きたい。でも石田純一氏ほぼ同じ学年で、気をつけていないと同じように人に迷惑がかかる。
まあいつか僕でも役に立つ時が来るかも知れない。体力が衰えないためにも多摩川縁を歩く。

多摩川からみる夕日の風景はまるで人間の愚かさをあざ笑うかのように、マイペースで我々を照らしながら語りかけてきた。
「まあ、僕からみりゃあ地球の歴史なんて波瀾万丈、とんでもないことの連続だったよ!」
 

新型コロナウィルスの感染拡大に対応するため、ついに首都圏など7都府県に緊急時代宣言が出され、多くの皆さんが日々の生活について、生きるというとこについて改めて考えさせられた事と思います。
僕も普段そこまで考えないであろう色々な事を考えました。人類が生きていく中で幾度となく出遭う天災、疫病、戦争、そんなことを全て乗りこえて今こうして生きている事、そしてこれから何に向っていくのかと言うことなど。特に生命が短い一生を次の世代に託していくその節理を不可思議であると共に、そこに働く見えないなにかの存在を朧気ながら感じ取ることが出来ます。

そんな生命(いのち)とは何だろうと思いを馳せ、生れた歌をお届します。
正月から毎年の動画年賀を作り始めたわけですが、今はもう4月。ましてやお正月気分ではありませんし、いつもの上野家のキャラや技法的なアニメは今回はありません。

Storyblocks の動画素材を何層か重ね合せ、Animateで作った探査船の動画を貼付け単純にコラージュしました。
幼年の声が欲しかったので、琴久のCD「囀り」で録音した9歳の時の声を使っています。後半、律子とハモるのは現在の琴久で、同じ人間の時空を超えた共演となりました。


たまたま僕は明日で67才を迎え、決して油断が許されない世代に入りつつあります。
この疫病の脅威を、魔法の力を借りてでも何とかしたいという祈りを込めています。時間がかかりすぎることは命に関わってきます。人々が情報を共有し、知恵を出し合い、解決の糸口を掴んでいくことこそが生命の魔法の力になり得るのだと思います。

どうぞ皆さん、くれぐれも無理をなさらず、嵐が通り過ぎるのを待ちましょう。
世界に再び早く安寧の日々が訪れるよう。

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