今日、らくりん座から訃報を受けました。
ここ15年くらいらくりん座で殆どの仕事を一緒にしてきました。
印南演出は人間の気持ちの受け渡しの必然的な反応、それが積み重なり人間の営みの面白さが伝わってくる。気を衒わず面白い芝居を自然に構築していく、その基盤となる人間観察がいつも成る程と納得させられていました。
いつも音楽を気にいってくださって、ほぼこちらの意見ややり方を尊重して頂き、多くの良い作品を作る事が出来る事が出来ました。
あんなにらくりん座やなすので動画や写真をいっぱい撮ったのに、印南さんの写真がほとんど無いのでがっかりしました。これはらくりん座のfacebook等から借りました。
あんなにらくりん座やなすので動画や写真をいっぱい撮ったのに、印南さんの写真がほとんど無いのでがっかりしました。これはらくりん座のfacebook等から借りました。
印南さんの演出はそれぞれ違ったものや生き方を大事にしている人と人とがぶつかり、そこでどうしても表に出せない気持ち、我慢、ジレンマ、そんなどこにでもありそうなリアルな絡み合いを描くことで自然と人間の面白味が浮き出て来ます。奇を衒った事はしなくても、ちゃんとそれぞれがその立場を表す事が出来れば、ひとりの脇役だってその中で面白味の一端を担っていると思います。
印南さんはそれをさらに一人一人掘り下げてリアリティを気づかせて行く。自らも役者の心にズケズケと入って行き、小さな「個」の感覚で演技している状態を掻き回す。本当にそのものになったら何を感じるか?時には弄り、セクハラギリギリのところまで心の中まで引っ掻き回します。まさに人と人とはここまで曝け出しながら徹底的に関わってやりとりしながら生きているんだと、つまりはそれが演劇なんだと・・・。
僕はいつもそれが印南さんの面白さだと思うし、演劇の面白さだと思います。