大成功のうちに終った「ロバの音楽座44周年=ロバ祭という音楽会」はあの阿佐ヶ谷ザムザで、フーちゃん、チリンとドロン、そして本当にロバの好きな人たちが集り、素晴しい祝祭になったと思います。
この時の監修というか、演出的なアドバイザーが鄭 義信(チョン・ウィシン)さんでした。鄭さんは黒テント出身の劇作家、脚本家、演出家で、演劇界では唐十郎が牽引してきたアングラ演劇を継承し、それを発展させていく役割を担ってきました。また自作の戯曲で「焼肉ドラゴン」などの映画監督も務め、日本アカデミー賞も受賞しています。彼のアドバイスの中でぜんぷくトリオの芝居も音楽を含めてその場でどんどん作り替えられていくことになり、とんでもなく面白い作品となりました。この作品は11月の狭山公園でのフェス、「花と光のムーブメント狭山公園」で演る予定です。詳しくはまたお知らせします。鄭さんにロバも気に入られ、何かご一緒する機会があるかも知れません。
そんな流れで、鄭さん作・演出の「泣くロミオ怒るジュリエット」を観に行きました。ロミオが桐山照史、ジュリエットが柄本時生、という、そう女が一人も居ない、男しか出ないのです。舞台は大阪で笑いの要素も多いと聞いていたので、「男だけのバレエ・白鳥の湖」みたいなものをイメージしていましたが、それはまるで違うものでした。笑わせるところはしつこいくらいに笑わせますが、底辺に流れているテーマは民族、差別、分断、戦争、そんなものがより身近なものとして伝わってきます。
確かにモンタギューとキャピレットはヤクザの抗争のようで、こうしてみると戦争はなぜ起るかが見えてくる。これほどまでロミオとジュリエットの本質を剔った描き方は今まで無かったように思えます。そう考えるとそんな要素を内在させたシェークスピアは凄い、いやそれを引出した鄭さんはもっと凄いと思います。
舞台は色というものをほぼ排除し、
を排除し、貧困と借金に追われ、暴力と怪我が絶えない日常、そんな中で僅かに灯った愛を成りたせることが如何に過酷なことか、いやむしろ悲劇しか生まない。
3時間半(途中20分の休憩)の激しい熱演は、暫し昔観た李麗仙秘演会の「愛の乞食」を彷彿させる様だったけれど、一つ一つの所作や間合、ツッコミ、非常に洗練されていたと思います。すこしねちっこいけど、動き全てが先の予想を超えて来るのが長丁場の芝居でも飽きることはなかったです。次はどんな構図、フォーメーションで来るのだろうという、常に期待して観てしまう。特に八嶋智人さんの演技は予想を遥かに超えていって素晴しかったです。
アンコールでスタンディングオペレーションがほぼ同時に一斉に起ったのですが、どうもジャニーズ系(桐山照史)の舞台の暗黙のルールとして何回目で立つというのがあるようですね。知らなかった。











