カテゴリ: 音楽
連弾ピアノのための「ひとつのおとぎ話」
20歳過ぎた頃に作った、とある詩にインスパイアされて作ったピアノ曲。
初演から半世紀が過ぎて、連弾用のピアノ曲に改作したものです。
25年版「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」
ミュージカル「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」とても評判良く、2年目で再演です。
今年はとちぎテレビの主催でとちぎテレビで放映もされます。
原作のいわむらかずおさんが亡くなられたばかりで、追悼の気持で精一杯心を込め気持を一つに稽古に邁進しています。


25年版「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」ソング・アラカルトというプロモ的なものを作りました。
宇都宮文化会館大ホール公演事前動画。本番35日前のリハを歌を中心に録りました。
今回のリハは衣装も照明も生オケもなく、振付けも指導中です。写真は2年前の初演の時のもので、動画は今回のものです。歌を中心にアラカルトしています。
あらかじめ音楽を耳に馴染ませておいてから本番を観ると、より楽しく観られると思いこの動画を作りました。茂木の方々、栃木の方々の素晴しい歌声をお楽しみ下さい。
(YouTubeから入るとチャプターが付いて好きな歌にジャンプします。)
(YouTubeから入るとチャプターが付いて好きな歌にジャンプします。)
「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」
原作・絵本:いわむらかずお
脚本/演出:江藤 寛 作曲:上野哲生
音楽総監督:黒子和志 副監督:豊田尚史 振付け・指導:小川和代
特別出演:村山哲也 小倉伸一 村山啓子 小川和代ジャズダンスカンパニー
制作・出演:もてぎde演劇を創る会 代表:都野祐俊
写真提供:鶴田さとみ 録音・動画編集:上野哲生


とちぎテレビで放映もありますした。生演奏の小オケが付きます。
小林清美(Pf) 栗田智水(Fl) 大塚裕一(Perc) 八溝山アンサンブル
カテリーナ九州ツアー
もちろん昔の懐かしい顔にも沢山会えたが、知らない人からも沢山声をかけられ、「来て良かった」「言い表わせないほど感激した」などと賛美の嵐だった。
それは決して我々の鍛錬の賜でも無ければ、その日の演奏が格段に良かったわけではないと思う。むしろ九州のお客さんの食入るような目と耳と、ストレートな反応に我々が触発され、かつて無いほど演奏の精度を引上げてくれたのだと思う。
それはまるで音が真綿の中に染みこんでいくような、そんな光景が目の前を過った。
また、九州の気質もあるのかも知れない。九州以外の人たちの前でも色々演奏をしてきたけれど、座長一座などで芸能に慣れている環境があるのだろうか、どう伝わっているのか、その拍手の仕方やタイミングでどう感じたのかがこちらに伝わってくる。それに答えるべく最高の音を提供しなければと一音に魂を込める。それがまた伝わり拍手の返しの相乗作用で更に高みに向っていく。それは結果、東京でも東北でも関西でも同じなのだが、九州人の前での公演は自信を付けるきっかけを作ってくれる事が多い。
来ていただいた皆さん、本当にあたたかな声援、ありがとうございます。
そしてサポートして頂いた、しょうぶ学園、前村さん、産の森の皆さん、鹿児島、福岡、大分の劇場の皆さん、まだまだ書ききれませんが、本当にありがとうございます。
2025年新年動画
皆さま遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。家族3人皆元気でやってiます。
久しぶりに年賀動画を作りました。映像はNasaのものとVideo blocksを利用し様々なコラージュしています。
2作品あり、こちらは「新しい地球の夜明け」と題して、最後はあり得ない組合わせが待っています。
HPに今年の年賀画像、昨年の出来事、今年やってくる出来事、動画など、色々まとめています。ぜひこ、ちらもお寄りください。
はじめての「和の音楽」
生れて初めて書店に並ぶ本を書きました。ある程度決った筋道に則った企画(シリーズもの)の中での執筆ですが、皆さん、きっと不思議に思われるのは本職の西洋古楽器のジャンルではなく、「和の音楽」だという事です。
これは「イチから知りたい 日本のすごい伝統文化」シリーズの第5弾で「はじめての相撲」「はじめての落語」「はじめて茶道」「はじめての歌舞伎」につづくものです。どちらかと言えば小学校3年くらいから読める本で、全てカナが振ってあります。他のシリーズはすでに人気があり、子どもでもその道の専門家を目指すきっかけになったという話しも聞きます。
他の本と違って難しいのは、まず音楽というものを文章で伝えることです。他の4冊はせいぜい数百年の歴史で、言葉や所作、しきたり、伝統を伝えることですが、音楽、それも神話の時代から現代まで、貴族から武士から民衆から、歴史も解っていない子どもたちにも解るように何を伝えるかが大変な作業でした。広く漏さず伝えようとすると歴史の勉強ばかり伝えなければならず、何かをピックアップすれば、今度は載らなかったジャンルの方からのクレームに合うかも知れません。そもそも僕が書く以上は海外との楽器の伝搬などに触れたくなりますが、あまり突っ込みすぎると編集の方から「難しすぎ!」と直されてしまいます。「ドローン」や「即興」という言葉も説明が難しすぎるという事でカットされました。あと、ひと項目に書く字数は500文字くらいまでとの制限があり、一つの楽器を取ってもこの文字数に収まるほど浅くはないのです。
僕自身和の音楽に関して、箏曲など和の音楽のあるジャンルの作曲依頼はあるものの、学者ではないので全般を体系的に網羅することは出来ませんが、離れた位置から音楽というもの全般を見渡すことは出来るかも知れないと思い、執筆を引受けました。
足らないところはイラストなどで補ってくれますが、構成やデザインまでは関与していません。
難しい部分は編集の方で直してくれるのは良いのですが、意味が合っていても本来のニュアンスと違ってしまうのは避けられないところです。実際に言回しで、こちらが間違った認識を持ってると受取りかねない部分もありました。
それでも、この小さな本の中によくもこの和の音楽という広大なジャンルが納まったなと感心します。きっと他の人が書くより中東やルネサンス・西洋音楽との比較の話しが多いと思います。リュートやウードなどの話も出て来ます。ピタゴラスも安倍晴明も紫式部も童謡もYOASOBIも武満徹も登場します。
一般の音楽の先生が読んでも、初めて知ることも多いと思います。少し偏った入門書でありますが、QRコードでこちらの用意した音源やフリーの音も聴けます。生演奏もしています。本当は著作権問題がなければ本物の演奏や映像とリンク出来ればと思います。売れたら徐々にその辺りにお金をかければさらに良いものになると思います。
書店に並ぶと思いますので、皆さん、ぜひ一度お手にとって眺めてください。
8/26発売開始です。Amazonで1980円、このリンクから購入可能です。出版社:すばる舎
単行本:136ページ ISBN-10:4799112570 ISBN-13:978-4799112571
第43回 ロバの学校 at 読書の森
自然の中で音に耳をすます。音を探す。木や鳥たちと音で会話する。
そもそもこんなにアウトドアから縁遠い僕みたいな人間が、ミュージックキャンプなどと言うものをよくも参加し続けてきたことと思う。個人的な事を言えば子どもと話題を共有することはとても苦手で、10分と相手をしてあげる事も出来ない。そんなことを思いながら、ロバの音楽座も含め、40年以上この活動に関わってきた訳だ。
子どもは元々生れながらにして音楽家だ。無心で歌う子どもの歌は何者も敵わない。何も表現していないのに涙が出てくる。そのままでいてほしい。そんな子どもたちに刺激を与えるのは複雑だ。けれど放っておけば人目を気にし、一般的な子どもの集団の中に埋れてしまう。素晴しい個性が溢れている子どもも、ただの何処にでもいる大人になってしまう。それはそれで仕方のないことかも知れないが、大人になって様々な夢や興味から離れて行ってしまう事に何か空しさを感じる人が居るに違いないと思ってしまう。
禅の世界では「悟り」を求めるのに「赤子の心になれ」と良く言われる。結局人間は赤ん坊から大人になる過程で、社会や生きて行く中で、様々な余計なものを背負わなければならない。禅ではわざわざ大人になるために背負ったものを無にしろという。
音楽も似たところがある。
技術を学び、経験を積み、理論を学び、評価を受け、研ぎ澄まされた域に達すると、どこかに大事なものを忘れてきている。音を見つけることに喜び、声に出すことに喜び、音を発することに喜び、それに対して大事な事だとか、何かの為になるとか、意味をもたらさない事にこそ大きなフトコロがあり、全てを受入れてくれる。心の中になるもの、夢や生きがいなんてとても単純で、空っぽの中に描いた一つの線のようなもかもしれない。それは教えられないもので、自然の中に自由であって、それぞれが感じて悟るようなものかも知れない。
まあ、自転車を乗れるようになる時のように、最初はサポートやきっかけが必要かも知れない。でもそこから先は見よう見まねで覚えていくし、発見もしていく。ギターやパソコンを手にした青年が、教わらずとも勝手に音楽を作って行くのを見れば解るだろう。
ロバの学校は子どもたちに楽器づくり以外、ほとんど技術的なことは教えてはいない。ただただ「それでいいんだよ」「そのままでいいんだよ」と背中を後押ししているに過ぎないかも知れない。
この子どもたちから発する歓声は、様々な束縛から解き放たれた喜びの声なのかもしれない。
カテリーナ古楽合奏団 NewCD「祝祭」
カテリーナ古楽合奏団は昨年50周年を迎えました。そしてなんとCD「ドゥクチア」から30年ぶりにNewCDが出来ました。
マスタリングは1996年発売のCD「Ductia」と同じ、レコード業界では巨匠と呼ばれる田中三一氏が担当、28年ぶりの再会。音の本質を知る彼の魔法の粉が、カテリーナ古楽合奏団のそれぞれのオリジナルな息づかいと微妙に絡み合い見事に仕上がった。
録音:あだち麗三郎 マスタリング:田中三一 録音場所:ロバハウス デザイン・テキスト:松本雅隆
CD「Ductia」は田島征三氏の幼少期を描いた映画「絵の中の僕の村」の全編を飾り、ベルリン国際映画祭で銀熊賞受賞するなど話題を呼んだ。さてCD「祝祭」が人々の心の中に、そしてささやかな日々にどんな話題を巻き起こすのか 楽しみ。
CDは以下のページから購入可能。
録音:あだち麗三郎 マスタリング:田中三一 録音場所:ロバハウス デザイン・テキスト:松本雅隆
CD「Ductia」は田島征三氏の幼少期を描いた映画「絵の中の僕の村」の全編を飾り、ベルリン国際映画祭で銀熊賞受賞するなど話題を呼んだ。さてCD「祝祭」が人々の心の中に、そしてささやかな日々にどんな話題を巻き起こすのか 楽しみ。
CDは以下のページから購入可能。
「ハッピーソング」
バンド時代
箒根学園校歌の額
ロバのクリスマス
ミュージカル「奇蹟の朝に(フランダースの犬より)」
栃木県茂木町を拠点に活動するアマチュア演劇団体「もてぎde演劇を創る会」は、結成10周年を記念し、来年3月に茂木と益子で脚本・演出:江藤寛 作曲:上野哲生、ミュージカル「奇蹟(きせき)の朝に…」を再演する事となりました。
2019年に大田原と茂木で上演して大好評を得て以来5年ぶりの再演となります。キャストにプロも一部加わって歌と芝居に厚みを加えていますが、初めて舞台に立つ人も多いのです。それでも言いしれぬ感動があり、昨年の作品も茂木、益子などのホールで4ステージくらい演ったのですが、噂が噂を呼び昨年もほぼすべて満席になるほどでした。
脚本も詞も音楽も評判が良く、自信を持ってお薦めできる作品です。初演時のプロモーションビデオもあります。ミュージカルの様子と懸ける熱が伝わります↓。
レ・ボレアード
とにかく素晴しい舞台だった。練習時間と衣装、舞台道具、舞台照明等にもっとお金をかければ更なる完成度の高い舞台になったと思うが、昨今の音楽事情を考えればこれが日本の現段階で出来る最高の舞台だと思う。
毎年の事だが、ダンサーの踊りは語り尽くせないほど素晴しい。バロックオペラはストーリー自体は5分くらいで語れる程度の内容だが、大半は叙情詩の歌と踊りで出来ている。ロマン派のオペラのように叙事や説明が歌になるようなことは多くはない。演奏、歌、踊りが比重としておおよそ1:1:1くらいの割合である。休憩を入れた上演時間が全5幕 3時間15分と。ワーグナーほどでは無くてもヴェルディやプッチーニなどのオペラよりは長い。
とにかく、その3割近くを4人のダンサー(当時は4人とは限らない)の踊りが占めているわけだから、もの凄く大きな比重だ。それは単なる動きでは無く、それぞれの拍の中で、まるで鳥が短く弧を描いてジャンプして木に止るまでの加速減速が音の減衰にぴったり合っていて、それが何とも言えない優雅さを出しているのだと感じた。それはオイリュトミーが音を表現するより遙かに(技術があるからだろうが)空気の流れに従順で、より音楽を視覚化してくれる。
申訳ない言い方だが、合唱団が賢明にぎこちなく動きを付けているが、それと対比して見てしまう。(合唱団は歌は素晴しいので。)
今回、ラモーの素晴しさも新たな発見だった。実は僕が大学時代に中村太郎先生に付いて和声学を習ったのはラモーの和声理論だった。現代において一般的な和声理論はモーツアルトの時代くらいのものだが、ラモーはほぼバッハと同じ時代だ。ハーモニーが理論化された最初のものと言って良いかもしれない。なぜハーモニーが自然の生まれたか、そう言った事から始ったと思うが、二十歳前の僕にとって課題をこなす素材でしか無く、このラモーを実際に聴こうとまで興味が無かった。ただ音程と言うものに重力が存在し、この重力が一度不協和に緊張状態になり、それの安定して収る方向に終息するという、全ての西洋音楽の構造を感じ取った意味は大きいと思っている。
実際にレ・ポレアードでは前の和音の音が残り次の拍で解決するという「掛留音」が多く使われていたと思う。出来るだけギリギリまで安定させない意図だろう。この掛留の具合とダンスの終止感が絶妙で、4人のダンサーは恐らくそれを感覚的に受け止めて、終止音とダンスの終止が絶妙の具合で合う。ここが今回の公演で最も素晴しいアンサンブルと感じた。
後、オーケストラで特徴的なのはロマン派以降によく使う、一番派手な部分でストリングスが細かく低い音から高い音まで一気に駆上がる(ジョン・ウイリアムスでT・レックスがいきなり目の前に現れるときの効果に使う)衝撃波が押寄せるような効果を多用していた。こう言った映画的な効果音の様な使い方はあまりバロック時代にはなかったと思う。
ソプラノとテナーは直線的な声でハモると素晴しい響きをする箇所が幾つも有った。ただバリトンからバスにかけての歌手は少しヴィブラートが強く、3度でハモるところがよく解らないところがあったが、これがロマン派だと思うとこんなものかと思うが、もう少しヴィブラートを抑えた線の細い表現をして欲しいところも幾つかあった。まあこれだけオケが埋めるように音を出している中ではそのくらい吠えないと声が伝わらないのかも知れない。
カテリーナ古楽合奏団50周年記念コンサート「祝祭」
まさに50年の記念に相応しいコンサートになったのではと自賛しております。
カテリーナとしては通常のコンサートも正味(休憩を除いて)1時間40分ほどですが、同じ1時間40分とは思えないほどの密度の濃い内容で、しかも今回メンバー1名が急遽出演できなくなるという逆境の事態に、編成を組直しメンバーの気持が一つとなり結果最善の方向に持って行けたと思います。
驚く事に一晩で体重が2kg減りました。汗をかいた分けでも無く、それだけエネルギーと集中力を使ったと言う事でしょう。
がりゅうさんは「古楽オーケストラが夢だった」と言っていましたが、実際には3人のスペシャリストが増えただけなのに、本当にオーケストラのサウンドになったのには驚きました。まだまだ可能性は無限にあるのだと思います。