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Saimanavira《火の精霊》
令和元年 年賀動画
元号について考えてみた。
確かに歳を計算したり、いつ何が起ったか考えるときは西暦しか使っていない。
合理的に、グローバルに考えるなら西暦を扱った方が良いだろう。
でも、元号は文化であり、西暦は文明の利器でしかない。
それは名前を呼ばれるのと、マイナンバーで呼ばれるのとの違いのようなものだと思う。
名前は同じ名前もありミスも起り非合理的だが、番号で整理すれば一瞬にしてそいつの個性も調べられる。
便利ではあるが、それで自分の印象が付くとは思えない。
僕の生れた昭和28年は「花の二八」などと呼ばれ、意味もわからず個性を放っている。
昭和一桁だ、平成のゆとりだ、などと言うのも味わいがあるが、1930年初頭とか1990年辺りと言われても単なる記録としか認識されない。
利便性だけで言えば、全ての国が英語を使い、センチメートルやキログラムを使い、同じ通貨を使い、同じ服を着て同じ教科書で学ぶ、それが一番だ。
僕に言わせれば、本当に価値のあるのは利便性ではなく、どこにもないもの、その土地にしかないもの、しいてはそいつにしか出来ないことがあることだ。
人間などは一人一人違うから面倒くさいことこの上ない生きものだと思う。だからと言ってタイプ別に区別されたり、勝手にこんな奴だとは思われたくない。それはあるがままでしかない。
国というものが多少ゆがんだ形で成立したにせよ、日本で生れて日本語を喋り、頂きますとご飯を食べ、ありがとうと礼を言う。
生れたばかりの令和が個性を打出すのはこれからだと思う。
だから粛々と誕生を祝い、自然に時代を見守っていきたいと思う。
良きにせよ悪きにせよ、我々の個性の塊が次の時代を作って行くわけだから。
ただボーッとして時代に流されていると・・・・に怒られるのである。
すでにアップした2019年の年賀動画ですが、どうせならと令和元年版としてアップし直しました。
まあ、個性と言えば僕の場合はこれが最大限の個性です。
扉の画像以外内容に変りはありません。
動く年賀状2018年版
このメールは上野哲生のアドレス帳よりBBC配信させて頂いております。
昨年はお休みしましたが、2018年の新しい動く年賀状が出来ました。
今年は目に見えない世界を描きたくて詩作を考えてみましたが、金子みすゞの詩がまさにぴったりだったのでそれで歌を作りました。
その歌と年賀のコラージュが動き出す動画です。
今回は余りおちゃらけないで、美しく描きたいと思いました。
お楽しみ下さい。
<あとがき>
勘違いにも甚だしいことが多々あります。自分のことです。
この動画年賀の金子みすゞの詩、著名な歌手の方から感想を頂いた後、
「"かわら"は、川原だったんですか?てっきり屋根の瓦かと思っていました!」
と言われました。
良く考えたら確かに瓦の隙間にたんぽぽが隠れているのであって、川原の隙間ではおかしいのです。
ただ、なぜか僕はこの間違った解釈の部分が映像的に好きで、タンポポわたげが水の隙間から無限に現れてくるような、ある意味シュールな感覚があり、そのままこんな映像を作ってしまったのです。
今思うと恥ずかしさでいたたまれない気持です。
まあ勘違いがあるからこういった展開のものが生れたと、勝手に思い込む事にします。
失敗は成功の元ではないですが、世の中に勘違いから生れたものは様々あるでしょう。
世阿弥の書に「風姿花伝」という有名な能の心得を書いたものがあります。舞台で演じる人は一度は目を通した方が良い書物だと思います。
この事は何かあるごとに書きましたが、僕は恥ずかしい事に「風姿花伝」を「風の姿を花が伝える」と解釈したのです。
風の姿は見えないけれど、花がそよぐ姿によって風のかたち、あるいは風の心まで伝えるようになれる・・・。表現とはそういうものだと。
僕はなんて素敵なタイトルなんだろう、これだけで真理を言い当てていると思いました。それから僕は見えない何かを伝える表現者として、常にこの霊媒師みたいな立ち位置で音楽活動をやっていくことになるのです。
(本当は「風姿」で姿、「花伝」で書を表すのであり、こんな解釈はありません)
今年「見えないもの」にテーマを絞ったのも偶然ではありますが、まさに世阿弥の「初心忘るべからず」を意識したまでです。
別の歌手の方から年賀に共感の感想を頂き、次の言葉が座右の銘だと言ってくれました。
僕も大好きだった言葉を思い出させてくれました。
「大切なものは目に見えないんだよ」(星の王子さまのキツネの言葉)
New CD「宙の囁き Sora no Sasayaki」Vocal:上野律子

アルバムのタイトル「宙の囁き」は、私たちが宇宙の中の地球に奇跡的に生きていること、その星の中で様々な天変地異を経験するということ、その命というものは宇宙のどこから来て何処に去っていくのかということ、その短い一生の中で何を感じ何を視るのかということ、そんなことが全体の主題となっているとの認識を深める中で、藤島さんからこのタイトルが出て来ました。
一つ一つの作品はとてもメロディアスでありますが、歌や詩の趣が特にプサルテリーやリュート等の甘美な撥弦楽器を多用することで、更に幽玄の中に溶け込んでいったと思っています。
ぜひ多くの人に聴いていただきたいというのが願いであります。
タイトル「宙の囁き Sora no Sasayaki」 歌;上野律子 詞・曲・演奏:上野哲生 詞・アルバムデザイン:藤島祥枝 MAG-003 税込価格2,100円 9月7日発売予定
以下のページから視聴、購入が出来ます。
MAGI Record